道のり6

父がたまに行っている和食のお店に。
流川にある20~30席のお店でした。
若手はきびきびと、ホールのお姉さん(おばちゃん)は和気あいあいと、大将は笑顔ながらも淡々と、活気がありました。

父はお姉さんたちと茶々を入れた後、大将に今回の僕の件をきりだしました。
「これこれこう言ってるんじゃが、どう思う?」
「僕から言わせてもらうと、飲食業界にやる気のある若い人が入るのは嬉しいことですよ、、、アレコレ」
と飲食の厳しさと醍醐味を教えてくれました。
もちろん出てくる料理も美味しくて驚きました。

帰り道、
暇そうな他のお店を横目に
「さっきのお店と何が違うと思う?」
「、、、味?」
「たぶん大抵のお店はそこそこ美味しいと思うんじゃが、根本的な姿勢よ。来てくれたお客さんをどうやって元気にするのかを、いろんな手を使ってどうにかしようと一生懸命努力をしているかどうか、実践しているかどうかの差だと思うよ」

家に帰り、もうしばらく家族会議
「とりあえず一年休学して、それに挑戦してみなさい。一年後にもう一度復学するのか考えなさい。」
という結論に。

本当に最高の親のもとに生まれた。心底そう思いました。

数週間後の春休みに予定していた東南アジアへの貧乏旅行も行ってる場合じゃないし辞めとこうと思いましたが、母が
「社会人として働きだしたら、そんな旅行なんか二度と行けないから行っときんさい」
お陰で学生最後の最高の思い出を作ることができました。

後日談ですが、僕が広島に説得に帰っているとき滋賀の大学に在学中だった姉がその当時高3の弟に連絡していて
「お父さんもお母さんも反対してると思うけど、あんたは応援してあげんさい」
と伝えていたそうです。
頭あがんねーな、とあらためて感謝。

こうして社会人としてスタートラインに立ったのはいいが、さて何から始めるべきか、、、

つづく 2014.09.26