道のり19
その知らせは突然でした。
いや、考えてみれば思い当たる節はとてもあったのですが、衝撃的ではありました。
子どもができたのです。
そのおよそ10か月後には無事健康に男の子が出てきてくれました。
なんの実感もないままに、ただただかわいい存在とじゃれていたのですが、ふと考える事がありました。
自分も自分の親のように好きな事をさせてやれるようになりたい
そのためにも自分自身が本当にやりたかったことをやらねば
自分の世界観を充満させた空間を持つ夢
それを叶えるためにこの世界に飛び込み、料理やなんかを勉強してきた
それを世間に認めてもらうことで、社会人として生きていくのが料理人、飲食人
やはりやらねば
自分の店を
そうなったらすぐに中谷さんに話をしに行きました。もちろん快く承諾してくれました。
一年かけて、引き継ぎなどをして去る準備をすることにしました。
少し淋しそうにしてくれているのが嬉しいような心苦しいような。
ポルチーニの名に恥じぬ店を作ろう
肝に銘じました。
つづく
2015.12.09