道のり18

2日目
何組かの知り合いがかけつけてくれたもの、びっくりするほど暇でした。
おそらく、史上一番暇な日はこの日だったと思います。
とくになんの露出もなく、オープンしたのだから当たり前だったのかもしれませんがその日のことは鮮明に覚えています。
しかし、なんとも言えぬ自信というかなんとかなるやろ的な思いは強かったような気がします。
これからや、、、

それから半年近くはほとんどの日が暇でした。来る日も来る日も全力で『いい店がここにあるんだ!』と料理と接客でアピールしていました。
今よりもっともっと未熟な僕でしたが失敗を繰り返しながら、ホントに中谷さんには迷惑をかけていたと思います。
そんな僕に料理を任せてくれていたことになんとか応えたい。
忙しい店を作りたい。

近隣にゆかりのある方たちが、気に入ってくれて週に何度も覗いてくれるようになり始め、予約も徐々に埋まり始めたのは1年が経つ頃だったと思います。

今だにその方たちが繋がってくださっていることは、僕を勇気づけてくれています。

落書き好きの僕に一周年のDMを中谷さんが託してくれた時に、あのポルチーニ君が生まれました。憎たらしいようでも愛されるキャラだと思っています。

その後もなんとか順調に忙しい店を持続し、パールをはす向かいに作り、パン屋さんを並びに作り、すべての店作りに参加させていただき本当に勉強になりました。中谷流の勝ち方がいつの間にか身に染みていたと思います。

とにかく中谷さんと働くのが楽しくてたまらなかった。本店、バール、パン屋、作り上げていく楽しさを味あわせてくれました。
体が2つあれば、今だに中谷さんと働いていると思います。

そんな中でも、いや、実はずっと、やはり独立へと向かう歯車は動き続けていました。
あるきっかけがそれを浮き彫りにしたのです。

つづく 2015.11.15